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土地の目利き【後編】

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山野楽器本店の用途地域は商業地域、容積率は 800%です。

 

収益用地の相場の目安や収益性を計る場合は坪単価だけでなく、いわゆる一種単価で判断 します。

一種単価とは「容積100%当りの土地単価」のことです。

山野楽器の公示地価は 一坪1億 9,074 万円、容積率 800%なので一種単価は「1億 9,074 万円÷(容積率 800%÷ 100%)=2,384 万円」になります。

 

何も、商業地でなくとも収益物件用地の収益力を計る際、掴みで計算する方法は、 こうなります。(建物は地域の条例は考慮せず10階建てとします。)
・1 坪当りの賃料 ※各階、銀座の最高賃料を適用・レンタブル比は 70%に設定

※レンタブル比とは賃貸面積の比率のことで、賃料を稼ぐスペースを計算するものです。

 

1F(店舗) 坪 310,000/月×レンタブル比 70%×1F×12 ヶ月=260 万円/年

2F~10F(基準階) 坪 90,000/月×レンタブル比 70%×9F×12 ヶ月=680 万円/年

合計 940 万円/年 

 

・1 坪当りの年収94万円 ※ワンフロア当り平均 940 万円÷10F

・1 坪当りの建築費 200 万円
・1 坪当りの一種土地単価=2,384 万円

・投資利回りは 94 万円÷(200 万円+2,384 万円=2,584 万円)×100%=3.6% 

 

公示地価日本一の坪2億円近い土地でも家賃も日本一なので利回りは 3.6%になります。

3.6%というと、今や新築デべのワンルームの利回りと同水準ではないでしょうか。

このように、土地から新築する場合、土地の見方は様々な角度から見ていく必要がありま すが、基本は「一種単価・賃料単価・建築単価」です。

ただ、詳細に収益性を計るには都市計画法、建築基準法に沿って、道路付け、高度地区、各 種斜線制限、日影規制などをもとに、建築士がボリュームチェックしないとなりません。 

 

楽待で東京23区の土地を検索したところ、587件登録されていました。 さすがに全て隈なく見たわけではありませんが、一言でいうと混合玉石の様相です。

掲載物件の中には第一種低層住居専用地域、建蔽率 50%、容積率 100%という土地も何件 か見受けられました。おそらく採算は全く取れない土地だと思います。 掲載業者は脈絡のないまま、ただ反響欲しさに掲載しているように感じます。

 

あらためて、顧客の立場で見ると、良い土地を見つけるということが、いかにエネルギーを 費やすかがよく感じられました。まさにお宝探しです。 やはり、土地から新築のプロジェクトを成功させるには不動産業者、設計事務所、建築業者 いずれも信頼でき、相性の合う良きパートナーと出会うことだと思います。 土地の目利きとともに、業者と担当者の目利きは欠かせない大事です。 是非、良き出会いを。