blog ブログ

土地の目利き【前編】

代表ブログ

今や、収益物件専門の代表的なポータルサイトである楽待や健美家、ホームズ不動産投資 には全国の収益物件が数多く掲載されています。

当社でも土地探しから RC 賃貸の建築をプロデュースする「Catachi」という当社独自の サービスをご利用いただけるよう、それらのサイトには収益物件に適した土地情報を掲載 しています。お陰様で、反響全体の40%が土地のお問い合わせです。

 

収益物件に求める価値はお客様によって様々ですが、何と言ってもやはり収益性です。 今から 40 年ほど前、かけ出しの営業マンであった 20 代の頃、現地案内した中国系のお客 様からこう言われました。「お金を生まない不動産には興味がありません。」と。 当時の私は、おすすめした駒澤大学の土地に絶対的な自信がありましたので、その言葉に ピンときませんでした。「住むこと」が目的で住環境にこだわる人にとっては最高の土地で したが、その人にとっては価値がない土地でした。振り返ると、そのお客様のアパート建築 用の土地という目的をしっかり聞かずに、住環境の良さと南6M 公道面というその土地の ベネフィットをおすすめしたのです。要は、お客様のニーズと営業マンの提案が噛み合って いなかったのです。 アパートを求める人の目的は「家賃を得る」ことで、土地取得の目安は建築後の「利回り」すなわち収益性です。当時、住宅を得意としていた私にとって、収益不動産は異次元の世界 の話で、そのお客様の言葉は目から鱗ものでした。 ただ、そのお客様にアパート建築の見立てがあったかどうかは定かではありません。

 

収益物件の建築プランを立てる場合、用途地域や建蔽率、容積率、高度地区等のその土地 が位置する地域の都市計画法や建築基準法、条例に従わなければなりません。 2階建て、3階建ての木造アパートなのか、それとも3階建て~5階建て、あるいは6階建 て以上の RC 造のマンションが建築可能なのかは、法的ルールと立地特性・地型・間口・道 路幅員・接道方位等その土地の固有の条件によって、様々な制約を受けるため、単純に目論 見通りに建てられるというわけにはいきません。大切なことは、建築の目的に適合した土地 であるかどうかということです。

 

土地を所有している場合、その土地の制約条件に合わせて建築用途や建築プランを考え なければなりません。駅前周辺なら店舗、事務所系、駅近の住宅地であれば単身者用、また 駅から離れた住宅地であればカップルやファミリーを対象とした居住系というように選択 肢は限られてきますので、収益性は立地次第、プランの工夫次第となります。一方、土地を 取得して建築する場合、目的や収益目標に応じて、土地選びから自由に計画することができ ます。ただし、中古物件や建売り物件の取得に比べ、工程が増え、また多くの専門知識や情 報が求められ、銀行融資の借り方含めて購入難易度は高くなります。

 

収益性は立地、建物用途、建物規模によって異なりますが、当然投資金額もそれ相応にな ります。そこで求められることが土地の価値を見極める目利きです。 土地価格、家賃、建築費にはそれぞれ相場がありますが、土地から新築する場合、これらの 相場観を養うことがとても重要で、相場の単位はm²単価または坪単価で捉えます。 2020年の公示地価で商業地 1 位は世界的商業地である銀座の山野楽器銀座本店のm² 5,770 万円、一坪1億 9,074 万円でした。ちなみに銀座の店舗・事務所賃料の相場を調べ てみると、1 階店舗の最高賃料は坪単価で 318,021 円、平均 59,707 万円、基準階では最高90,000 円、平均で 32,056 円でした。銀座 4 丁目の一等地に新築ビルを建築すると投資利回 りはどうなるのでしょうか。公示地価と賃料からシミュレーションしてみたいと思います。 建築費はというと、やはり世界の銀座ですから安普請のビルは恥ずかしくて建てられませ ん。規模にもよりますが坪 150 万円から 200 万円といったところでしょうか。

 

 

後編はこちらから