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三方良し
30年以上前の前職時代、リクルート社の研修担当者から「てんびんの詩」という研修用ビデオの話を聞きました。
このビデオを見終わると営業部に配属予定の新人スタッフは皆感動し、涙を流す者もいるという。
興味を持った私は、早速そのビデオを購入し、社内研修を実施しました。結果は感動した者もいれば、無反応の者もいました。これは当時のスタッフの感受性の問題で、人によって大きく異なるものだと今でも思っています。
そのドラマは近江商人の物語で、登場する主人公は商家の跡取り息子の少年。父親から鍋蓋を売ってくるようにという課題を与えられ行商に出た少年は、はじめは高を括り、時にはふて腐りながらも、紆余曲折を経て物語は感動のクライマックスを迎えます。一枚も売れずに辿り着いた小川で、愛おしみながら鍋蓋の汚れを洗う少年の姿から、その事情を聞き、感銘を受けた近所の女性に認められ、少年はようやく鍋蓋を売ることができました。
商売の本質を自らの行動を通して掴んでいくというこの物語の真髄のシーンです。
現在の会社においても社員に映画を通して、営業だけでなく、仕事に通じる何かを感じてもらおうと、研修の一環として視聴する機会を設けています。
個人的には何度見ても、経営とは自分の立場や都合を超え、商品への思い、相手の立場絶対の行動が全てだということを思い知らされています。
また、この映画を見るたびに、商売の本質は今も昔も変わっていないのだとも感じています。
因みに、この映画制作のスポンサーはあの「トイレ掃除」、「凡事徹底」でも有名なイエローハット創業者の
鍵山秀三郎さんだそうです。
昨年春、大津を訪れる機会に恵まれた私は、足を延ばし近江八幡に向かい、近江商人発祥の地の空気を吸ってきました。やはり近江商人と言えば「売り手よし、買い手よし、世間よしの三方よし」という商人哲学です。
旧西川住宅では当時の商人の在り方をジンジンと感じてきました。特に結界と呼ばれる帳場は圧巻で、当時のシビアなお金の管理方法が偲ばれ、 また300年の時を超えた今でも、凛としたその空間に当家主人の凄みを感じました。
「我社の使命はオーナー良し、ユーザー良し、地域良し」の三方良しを信条として、住空間を文化でデザインし、オンリーワンの魅力的な賃貸不動産を創り、守っていくことです。」当社の使命感です。
当社では近江商人の哲学にならって、「三方良し」を使命感といたしました。
賃貸不動産プロデュースと賃貸管理を主力事業とする当社にとって、オーナー様、ユーザー様の両者に喜んでいただき、ご満足いただくことはもちろんのこと、地域が素敵になる街づくりは欠かせない大切な経営上のバランスであると考えています。