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【社長ブログ】第2回:賃貸管理事業への道
(この記事は当社の賃貸管理に関するWebサイトMove Property「MOVEの賃貸」内ブログから引用しています。)
累積経営
不動産業界に身を置き、早47年。
その間には、バブル景気、ブラックマンデー、バブル崩壊その後、阪神淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災、アベノミクス、マイナス金利、能登半島地震そして金利ある世界の到来と、景気の移り変わり、天変地異などいろいろなことが起こり、社会は大きく変化しました。
不動産業界では当初、兄の経営する会社で働き、売買仲介、賃貸仲介、戸建分譲、買取再販と一通り不動産実務を経験しました。
当時はマンションなら大京、戸建仲介・分譲ならミヤマ(後のレオパレス)が東京の住宅市場を席捲していました。一方、投資用アパート・ワンルームマンションの市場はマルコー、杉山商事など節税をうたい文句にした不動産投資会社が数多く存在していました。ただ、長続きはせず、そのほとんどバブル崩壊で姿を消しました。まさに栄枯盛衰でした。
派手に売買を繰り返す不動産会社の影で、着実に事業を伸ばしていたのが昭和40年代創業の大東建託やハウスメイト、スターツなど賃貸を手掛ける会社でした。今では賃貸管理戸数はそれぞれ大東建託126万戸、ハウスメイト24万戸、スターツ12万戸と、賃貸管理業界ではとんでもなくビッグな会社になっています。土地活用、賃貸管理、建築デベロッパーと主力事業は異なりますが、そのビジネスモデルは賃貸管理事業が土台となっています。
振り返ると、キャピタルゲインを追求し売買を繰り返す事業、フィービジネスを核に一歩一歩管理戸数を積み重ねていく事業と、同じ不動産業界ではありますが、長い時間軸でみると、中小企業の生き残る道が見える思いです。
経営スタイルは多様ですが、まずは会社を潰さない経営とは何かを命題にしています。そのためには安定的に利益を出し続けていかなくてはなりません。
以前、先輩経営者から「累積経営」という考え方を教えてもらいました。保険業のように、1件の契約ごとに収益が累積的に増加していく。それが「累積経営」です。仕入しても売れなければ利益が出ない売買事業、契約できるかできないか読めない仲介事業、どちらも不確定要素が強く不安定な業態です。累積経営である賃貸管理事業は管理戸数が増加するごとに管理戸数は累積し、収益も累積的に増加していきます。利益は小さいですが、管理が増えていくと経営を安定的に成長させることが可能です。
弊社では累積事業として、賃貸管理事業の他にトランクルーム事業を手掛けております。今では両事業とも、弊社の収益基盤となっています。
全国の中核都市には様々な賃貸管理会社があります。賃貸住宅新聞社発表の賃貸管理戸数ランキングでは1万戸以上の会社は121社で全体の11.36%、それらの会社の管理戸数のシェアは76.81%です。大手・中堅管理会社優位の時代に入っていることが歴然としています。弊社にはM&A会社からアプローチの案内が連日のようにあります。賃貸管理業界は群雄割拠の時代に入り、いよいよ淘汰の始まりだと感じています。
生き残っていくための経営課題として、管理戸数の拡大とともに新規オーナーづくりのノウハウ、仕組みづくりの進化、そして人づくり、組織づくりが大事であると考えています。
次回に続きます。
代表取締役 岡田京三